《何…急に。てか、もう会ってるし》

後ろから抱きしめられる。

恭介君の匂いがして、急に鼓動が早くなる。


「恭介君っ」

私も振り向いて、恭介君に抱きつく。


「会いたいとか…可愛いすぎ。」

なんで今そんなに優しいの。

混乱してるだろうに。

心配させないようにしてるの?
それは、逆に心配かけてるんだよ?

わかってるのかな。この人は。


「堀が、俺の兄だと思うか?」

「え。」

「俺は、あいつが兄だと思った。兄がいるなんて知らなかったし。

正直、話聞いてる時、俺のことかもって思ったけど半信半疑。

でも、親の名前聞いた時は焦った。
俺の母親の名前だったから。それで確信したんだ。」

恭介君の顔を見ようと思っても、強く抱きしめられて、見られない。

「どう受け止めるべきなんだろうな…」

声が暗い。緊張してるようにも聞こえる。

不安…なんだよね、きっと。