仕方なく黙ることにした。
先生は、また話し始めた。
「俺も、少し混乱してる。今考えてることが本当なら…」
「藤崎が、あなたの弟かもしれない。そういうことでしょう?」
花恋が容赦なく突き詰める。翔君はそれを黙って聞くだけだった。
「そう。俺としては嬉しい。こんなに近くに居たんだから。
でも、あいつはどうだろうな。嬉しくないかもな。
しかも血の繋がりはないときた。俺といる意味がまず無い。」
そんな先生の言葉は、私にはしっくりこなかった。
「血の繋がりなんて関係ないです。」
そして、私は口を滑らしてた。
「私は、恭介君と血の繋がりはありません。
だけど、好きだし一緒にいたいって思いますもん。
それは、堀航としても同じことが言えると思います。」
そうだよ。血が繋がってなくても、同じ人から生まれてる。
実際、ちょっと似てるところもある。
家族に、血の繋がりは関係ない。
愛があるかないか。ただそれだけなんじゃないかな。