それで、先生は弟を探してるんだ。


「まぁ、未だに見つからないんだけどね。

写真は子供の頃のやつだけしかないから、今じゃ探し用がない。」

「その写真…見せろ」

「え?」

先生も少し驚く。

写真を見たいと言い出したのは、恭介君。

さっきから様子が変だと思ったけど…どうしたの?

「いいけど…これだ」


先生は、スマホの写真フォルダから弟さんの写真を見せる。

その写真はあまりにも幼くて。

私たちと同じ歳になってる人を、この写真から見つけるのは難しい。


「…これ。」

「藤崎、さっきからどうした?この男の子を知ってるのか?」

堀先生も不思議がる。


「俺の幼少期と似てる」


恭介君はそう言うだけで黙り込んだ。


「あんたの母親は、押し花を残していかなかったか?」

恭介君、何言ってるの…?