その力の主が、恭介君の手。

恭介君の手のひらが私の頬から頭にかけてを覆う。


私はキスをされる。


ここが廊下の真ん中だってなんだってもうどうでもよくなってくる。


私って、色々なことに自覚がない。

だから、恭介君やいろんな人に迷惑をかける。


そんなこと考えてても、恭介君はキスをやめない。

長いキスに、耐えきれない呼吸。

それを感じ取った恭介君は、一度キスをやめた。


と思ったのも束の間。

腕を引かれて、下駄箱の前に来る。


キーンコーンカーンコーン。

授業開始のチャイム。

人が一気にいなくなった。


恭介君がまたキスをする。

今度は短いのを何度も。


何度上書きされたのか。