印刷室に入って、プリントを指定の場所に置く。


「優衣ちゃん」

後ろから先生に声をかけられ、振り向く。

…え?


両腕を掴まれて、身動きが取れない。

それに…今、私。


キスされてる。


何も抵抗できない。


廊下に誰かいないか確認したい。

でも丁度、ドアで死角になってて、堀先生は少し傾いてるふうにしか見えてないはず。


泣きそうになる直前で全てが開放された。

私は走り出してた。



「俺のものになればいい…」


その言葉を聞く前に。



やだ。どうしよ。

恭介君…なんて言えば。


「優衣」