「いいのか?」

「うん」

深く追求されたくないことだってあるけど、知りたい。

でも無理には聞けない。

ああ言うしかなかった。

ていうか、いつもあんな感じ。


中学生の時は、無理やり聞いてたけど。

「遥さんのとこ、信頼してるんだな」

恭介君が、私から目線を外して呟く。


「幼馴染だからって言うのもある。でも…」

そこでやめる。

「なに?」

…言う勇気が。まだ出ない。

「あ、そうそう。あと何買う?」

話を流したかった。

恭介君は、少し不満そうな顔をした。

でも、私の気持ちを読んだみたいに、それ以上何も聞いてこなかった。


「じゃあ、さっそく作るね!」


私は恭介君のキッチンを借りて、料理を始めた。

リビングで、いつもクールな恭介君が私をまじまじと見る。

なんか、恥ずかしい。


「痛っ」