「ハンバーグが好きなの?藤崎って。

今度優衣が作ってあげたらー?」

花恋が私を手伝ってくれた。

それくらいは察しがつく。


「いやいや、図々しいでしょ!」

本当に思ってることを、恭介君に言った。

だって、なんの関係もない人に作ってもらうなんて。

嫌な人は、きっと嫌だと思うし。


「ていうか、お菓子以外の料理できんの?」

「うーん。どうだろ…」


家では結構家事をやる方だけど、食事はあんまりやらないし。

はっきりと、できるよ!なんて言えない。


それが少し悔しいけど。


「恭介、今話題変えてきたから、たぶん作って欲しいんだよ」

翔君がフォローしてくれた。

「じゃー、練習しようかな…なんて!」

私も少しは冗談が言えるようになった。


でも今のは、冗談っぽく言っただけで、本気で練習しようと思ってる。


「…勝手にしとけ」