ま、それでも1人よりはまし。


中学2年生に上がる頃には、友達も増えてた。


告白されたし、何回も断った。

こんな時期が、あたしにも来るんだ。

そんなふうに思った。



「翔」

翔の部活が終わるのを見計らって、待ち伏せした。

こっちの方面は一人しかいない。

それをわかった上で。



「花恋?何してんだよこんな所で」

「あたしの事気にしないでいいから。

翔は翔らしくやってね」


あたしはそれだけ言って、家に帰る。

方向は一緒だから、走って先に帰る。


これが『翔離れ』の宣言だった。

あたしはずっと翔に助けられてた。


だから、翔が居なくなったら嫌。

絶対に嫌だった。

また一人になっちゃうかと思うと怖くて。

だから好きなのに…告白もできない。