「…今こんなことしなくたっていいでしょ。

あんたこそ考えなしにこんな行動しないで」

でもやっぱり言ってることは冷静。

ここがさすがっていうか…感心してる場合じゃないけど。


「はい全員席につけー。一時間目は数学だ」

タイミング良いのか悪いのか、堀先生が入ってくる。

今の席順考えると、私はちょっと気まずい。

私の両隣りが、翔君と花恋だから。


前の席は恭介君だけど、ずっと寝てるし。

はぁ。気まずい〜



やっと数学が終わった。

「おい。ちょっと」

恭介君は、私の腕を掴んで強引に引っ張る。

「え!?」

びっくりして、声が裏返る。

どこに行くのかと思ったけど、屋上だった。

「どうしたの、恭介君?」

「翔と篠山が話せるように、ちょっとでも2人の時間作りたい。
俺にできんのそんくらいだし」


あ、そういうことか。

心のどこかで期待してた自分を今すぐ燃やしてしまいたい。