【優衣 side】


落ち葉の季節がやってきた。

茶色とか黄色の葉が地面を覆ってる。


私は綺麗だと感じるけど、ただの枯葉って言えばそれまで。


「優衣聞いてるー?」

花恋の不満そうな声が、耳に入る。

「え?なんだっけ?」

「だーかーらー。堀は、弟探してんだって」

「弟?」

「そ。なんか、家庭の問題で一回も会ったことないらしいの。」

放課後の会話とは思えない深刻さ。


それにしても家庭の問題って…そんなに深刻なの。

堀先生の普段の様子からは想像出来ない。

普通に暖かい家庭で生まれてそうなのに。


「弟に関しては、自分の4歳下ってことしか知らないんだって」

「4歳下って、私たちと同じ年齢…」

「だから教師やってんのかね。ま、そのへんは知らないけど」


花恋は最後投げやりになった。

たぶんそこまでの情報しかないから。