「か、花恋。私そろそろ帰るね」
花恋の耳元でそう言うと、花恋は親指を立てた。
「あ!俺、送ってくよ」
シンジさんが手を挙げてそう言う。
お店の前までってこと、だよね?
「お家どのへん?」
「あ、本当に、ここまでで結構です!」
「いいのいいの。俺が送りたいだけだから。
あ、それともこのまま二人でどっか行く?」
「い、いや…私…その」
どうしよう。こんな私に話しかけてくれたのに、
断ってしまうのは、失礼だよね。
「ほら。行こうよっ」
私の腕を掴んできた。
「い、痛っ」
「いいじゃん。克服するんでしょ?
手伝ってあげるよ?」
怖い…怖いよ…
自然と体が抵抗できなくなってた。