腕を組んで、机に腰をかけてる。

教師のくせに、机なんかに座るなよ。


「それがわかるなら、どうにかすんのが教師だろ」

俺は机の中に入ってたイヤホンを取って言った。

「この歳だ。高校三年生は射程距離内ではあるだろ?
一概に、好きじゃないなんて言えないんだ」

「遊び人」

「どちらかといえば、お前の姫に興味がある」

「は?」


感情のままに返事をしてしまった。

その瞬間、チャイムが鳴った。

「さ、もう帰れ。完全下校時刻だ。」


教師の顔に戻る堀。

さっきまでなんとなく、普通の男だった。


こいつ、なに考えてるんだかわかんない。

ほんのさっき言ったことは、本気なのか。

遊び心なのか。


俺はイヤホンをしないまま帰ってきてた。