「いちいち近づいてないけど?よく手伝ってくれるやつが、篠山なんだ。」

「他のやつでもいいっすよね?」

「篠山がいいんだ。…そう言ったら?
お前は逆上して、俺の胸ぐらを掴んでくるだろうな」

俺らと違うところは…堀は大人ってこと。

なんだかんだ言って、俺らは高校生で、まだガキ。

「まぁ、落ち着けよ」

「花恋のこと…好きなのかよ」

翔は直球を投げる。

「…さぁな」

あっさり見逃される。いや打ったとも取れる。

「それは好きとして受け取っていいのかよ」

「お前の自由だ。好きに受け取れ」


やべ。そろそろ出てくる。

俺はとっさにトイレに駆け込む。


翔が行ったのを見て、教室に入る。


中にはまだ堀がいた。


「盗み聞きか」

堀は笑いながら言ってくる。

「なんのことだ」

「翔くんは俺と篠山の関係に腹が立ってるらしい。」