《とにかく、校門前で待ってるから、早くおいで~》
花恋の一言で、電話が切れた。
恭介君心配してくれてたんだ。
嬉しい気持ちもあるけど、もどかしい。
堀航っていうのを知るチャンスだった。
私は走って校門前に行った。
「ごめんね!帰る準備遅くって…」
「ばかが」
恭介君の顔から怒ってない所を見てほっとした。
「藤崎は優衣を心配してたの。こいつ照れてるだけ~」
恭介君の顔を見ようと思ったら、くるりと背を向けられた。
その仕草が…
「かわい…」
ハッ。なに言ってるんだろう。
「よかったな!恭介、かわいいってさ!」
翔君が茶化す。
あああ。私の方が恥ずかしくて、顔が赤くなる。
「もういいから、行くよ」
花恋がなんとか話を流してくれた。
文化祭の打ち上げもかねて、クラスのみんなで夜ご飯を食べることになった。