意地悪そうな顔をして見せてる堀先生。

だけど、私にはがんばってその顔をしているように見える。



…先生は何か隠してる。


「なーんてな。じゃ、俺は後夜祭にでも顔を出すか。」

堀先生は立ち上がって、教室を出ようとする。

「あの、先生!」

私はそう呼び止めてた。その瞬間携帯が鳴り出した。


こんな時に…!

先生は笑って

「早く出てやれ。」

そう言って、行ってしまった。


私は慌てて携帯に出る。

「もしもし?」

《あ、優衣?今何…あ、ちょっと!》

花恋の声かと思ったら今度は恭介君の怒鳴り声が聞こえた。

《お前は何してるんだ!帰るって言っときながら、いつまでも来ねえ。馬鹿か!》

あまりの怒鳴り声に、肩が跳ね上がる。

《恭介言い過ぎだよ。ていうかはっきり心配してるって言えばいい》

電話の向こうから、翔君が笑いながらフォローしてる。

《うるせー。お前は黙ってろ!あ、おい返せ…》