「恭介君、泣かないで」

恭介君はハッとして、慌てて涙を拭く。

涙を流すほど衝撃的な出来事。会いたくても会えないもどかしさ。


私たちは、喫茶店を出る。

奢られそうになったけど、がんばって阻止した。


しばらく歩いて、広場に来た。

「大丈夫?」

「ああ。さっきは悪かったな。」

「ううん…正直に話すって事は、ああいうことだよ。」


恭介君はベンチに座って一息ついた。

「あー。言えた言えた。これが言いたかったんだ」

さっきより全然顔が明るくなった恭介君。


「これだけのために誘って悪かったな」

「ううん。聞けてよかった」


恭介君が家まで送ってくれた。

「じゃな」

その言葉に手を振って返した。


私も…打ち明けないと。