「感謝はしてる。いろんな人に。でも、やっぱ何もない人生かもな」

「恭介君自身で決めたことだってある。だからこうして私と一緒にいる。翔君や花恋にも会えてる。何もなくはないよ」

こんな言葉恭介君に響くんだろうか。

少しでも何か思ってくれればないいな。


「そうだよなー。もう、一人じゃないよな」

「一つ聞きたいことが…」

「ん?」

私はドキドキしながら声に出す。

「日本に残った理由って…お母さんに会えるかもしれないから?」

恭介君は苦笑した。

「お前こう言うときばっかり鋭いな」

やっぱり。

「ま。もう居場所わかってんだけどな」

予想外の言葉に驚く。もう分かってるなら何で会いに行かないの?

「…天国」


ぼそっと出た音。

それは確かに天国と言った。


「俺を捨てて、勝手に死んで。迷惑な親だ」

ずきずきと胸が痛む。

だって。だって…