中学3年生冬。受験まっただ中。

行きたい所も決めて、勉強に励んでいた。


「え?引っ越し?」

そのとき引っ越しの話を持ち出された。

日本ならまだしも、引っ越し先はアメリカ。

一度行ったら簡単には帰ってこれない。

「学校は?」

「きょうくんさえよければ、アメリカの私立校に行ってもらいたいの」

正直、その頃勉強が面倒で楽していけるなら…
そうも思った。


結局俺は日本に残ることを決意。

お金は送ってくれるって言うし、一人でやっていける気がした。


「恭介…ついてきて欲しかった」

「アメリカでも上手くやれよ」

俺はそう言って愛海に別れを告げた。


―――――【優衣side】


恭介君の口から初めて知らされた真実。

愛海さんから聞いたことと、同じ所もあった。

でも、やっぱり全然違って聞こえた。


「ま、こんな感じの人生を俺は送ってきた。」

「うん」

うんなんて、素っ気ない返事しか今はできなかった。

どうやって返事したらいい?

分からない。