「つか俺思うんだけどー」
いかにもギャル男口調で話すクラスの男子。
やけに声がでかくて、勝手に俺の耳に入ってくる。
「中武優衣?可愛いよなぁ?」
反応しそうになる、どっかの神経を抑えた。
「あー。なんか花恋ちゃんは美人すぎて、手出せねーって感じだけど、
優衣ちゃんは全然行ける」
ギャル男の問いにその友達らしいやつが答えた。
…
「なんだろうなぁ、あの清楚感がたまらん。
告ったらすぐ付き合ってくれそう」
俺はほぼ無意識にギャル男の友達を殴ってた。
「え?」
教室内が段々ざわめく。
あ、やっちまった。
「ふ、藤崎?俺なんかした?」
ギャル男の友達は、状況を飲み込めてないようだ。
説明するのもめんどくさい。黙っているか。
「あんまり優衣ちゃんのこと軽く見ないでくれる?すぐ付き合ってくれそう?こいつがまだなんだから、お前がある訳ねぇだろ、ばか」
俺が何も言わないのが、気に食わなかったのか…
しかも、俺がって…
翔はいつになく怒ってた。
ギャル男とその仲間は、教室から出ていった。