「あー。ブランコとか懐かしっ。」

大翔君は高いところまでこいで、笑ってた。

なんとなく、無理に笑ってる気がした。

私は黙ってた。


「優衣」

「なに?」

「…俺に話したいこと、ある?」

大翔君。

「私…」

「俺は、優衣の気持ちが曖昧なの知ってた。

だから、わざわざ気持ち確かめたりしなかったし、したくなかった。

負けるの…怖かったから。恭介に」


初めて聞く、大翔君の本音。

それを聞いたからこそ、私も素直になれた。

「大翔君はいっつも私の事考えてくれる。
常に、私の心を読んでるみたいにあえて何も聞かない。

でもきっと…一緒にいれば、私はきっと大翔君を傷つける。
今だって傷つけてる。それはわかってるの」

涙が出る。

本気で誰かのことを考えると、辛い。

簡単なものじゃない。

まして、私になんて易々と出来るものでもない。