「なぁ、このあと四人でボーリングでも行かないか?」

「いいね、楽しそう!」

「だろ?」


盛り上がるふたりを前に、ひとりハラハラしてしまう。


実は笹沼くんに誘われたのだ。「二十四日、ふたりでどこかに出掛けよう」と。

そこへ光莉と柳瀬から話があると誘われ、来たわけだけど……。


でも四人で過ごしてもいいよね、楽しそうだし。

笹沼くんもきっと同じことを考えているはず。

そう思い、ふたりに返事しようとしたとき。


「悪いけどパス」

そう言うと笹沼くんは私の腕を掴み、無理やり立たせた。

そしてポカンと見上がるふたりに声を弾ませ言った。


「俺、皆森さんとふたりで過ごしたいから、幸たちもふたりで過ごせ」

「……え、篤志?」

「……マジかよ」


口をあんぐりさせるふたりに、身体中が熱くなっていく。

「じゃあまたな」

笹沼くんは私の荷物を手にするとそのまま歩き出した。