涙を堪え笑顔で言うと、光莉も満面の笑みを見せた。

「うん、約束」

「皆森、本当にありがとう!」


今度は柳瀬にまでお礼を言われてしまい、いよいよ涙が溢れそうだ。

「どういたしまして!」

泣き顔を見られたくなくて背を向け、駆け足で学校へと引き返していく。


よかった、ふたりが幸せになってくれて。

私が完全に柳瀬への想いを絶ち切れちゃうくらい、たくさん幸せになってね。


立ち止まり振り返ることなく学校へと戻っていった。



教室に辿り着く頃にはすっかり息が上がってしまっていた。

放課後の教室は誰もいなくて、シンと静まり返っている。


笹沼くんの荷物ないから、もう帰ったのかな?


笹沼くんに報告したいと思ったけれど、今の状況を考えれば帰った後でよかったかもしれない。


呼吸を整えながらゆっくりと自分の席に腰掛けた。