「柳瀬!」

電車を降り改札口を抜けると、そこには柳瀬の姿があった。


電話で光莉を連れて行くと伝えると、カレの方から駅まで向かうと言ったのだ。

宣言通り改札口で待ちわびていた柳瀬。

私たちの姿に気づくと駆け寄ってきた。


チラリと光莉を見れば恥ずかしそうに俯いてしまっている。

再び柳瀬を見れば、柳瀬もどう切り出したらいいのか悩んでいる様子。

きっと私がいたら邪魔だよね。


「じゃあ私、学校に荷物置きっぱなしだから行くね」

「え、萌?」

途端にふたりともギョッとし私を見た。


「光莉、頑張って」

せいいっぱいのエールを送ると光莉の目はまた潤み出した。

「ありがとう、萌」

心からのありがとうの言葉に、こっちまで目頭が熱くなっちゃうよ。

「冬休み、遊ぼうね」