堪らず光莉の身体を抱きしめた。

「うん、後悔しないで。柳瀬に伝えてあげて。……柳瀬、きっと腰を抜かすほど驚いて喜ぶと思うから!」

コクコクと何度も頷く光莉。


よかった、よかったよ……!

ホッとすると同時に嬉しくて、気が緩み私まで泣いてしまいそうだ。


けれどグッと堪えた。

まだ私の役目は終わっていない。

光莉を連れて行くんだ、柳瀬の元まで。


「そうと決まれば急ごう、光莉!」

「……うん!」


身体を離し言うと、返事をし玄関先にあった鍵を持ってくると家の鍵を掛けた。

「行こう!」

どちらからともなく手を取り合い、駅へと駆けていく。

その途中スマホを取り出し、柳瀬に電話をした。