「柳瀬のことが泣くほど好きなら、ちゃんと伝えてほしい! 自分の気持ちに嘘をつかないで光莉……!」


それは私の願いでもあるの。

自分の気持ちに嘘をついて、後悔なんてして欲しくない。


私と同じ思いをして欲しくないの。


光莉はなにも言わず、まじまじと私を見つめるだけ。

私も分かって欲しい一心で光莉の瞳を見つめ返した。


どれくらいの時間が過ぎただろうか。

光莉は意を決したように口を開いた。


「柳瀬くん、まだ学校にいるの?」

「……っ! うん、いるよ!!」

「このまま行っちゃっても大丈夫かな?」

「柳瀬に連絡する! 学校の外にいてって!!」


すぐに答えると、光莉は唇を噛みしめた。

「萌……私、柳瀬くんに言いたい。ちゃんと好きって気持ちを伝えたい。……後悔、したくないよっ」

光莉の瞳から溢れ出した涙。