「柳瀬は光莉のことが好きなんだよ! ……告白前なのに光莉にクリスマスプレゼントを買っちゃうくらい大好きなんだよ」


お願い、柳瀬の気持ちを分かって。

体育祭の日のことは、所詮きっかけでしかないんだよ。


例えあのとき、私は声を掛けてタオルを渡していたとしても、柳瀬は笑顔で「サンキュ」って言うだけだったと思う。


あのことがきっかけに私を好きになるとは考えられない。


光莉だからだよ。

光莉だから柳瀬は好きになったんだ。


「私、光莉のこと大好きだよ? それに尊敬している。いつも家事やバイトしながらも勉強頑張っていて。それなのに疲れた顔ひとつも見せず、明るくて優しくて……! 柳瀬が光莉を好きになる気持ち分かるもの!」


「萌……」

「光莉には幸せになってほしい。その相手が柳瀬ならすごく嬉しいから! ……ふたりには幸せになってほしいよ」


今なら心から言える。

柳瀬と幸せになって欲しい。

ふたりが笑ってくれるなら私は心から「おめでとう」って言えるから。