「ふたりとも小松崎さんが学校を休んでいる理由、分かっているだろ? ……せっかく四人で楽しく過ごしていたのに、俺が台無しにしちまって悪かったな」


「柳瀬なに言って……!」

「幸のせいじゃねぇよ!」

私と笹沼くん同時に声を上げるも、柳瀬は首を左右に振った。


「告白しなければよかったよ。……そうしたら以前のように四人で楽しくこれからも過ごせていたのにな」


柳瀬の言葉が、自分の想いと重なる。


私もそうだった。

柳瀬に告白して気まずくなりたくなかった。

なら告白しないでずっとそばにいたいと思った。


でもね、柳瀬。
それじゃダメなんだよ。


告白しなかったら、もっと柳瀬は後悔していたはず。

だからそんなこと、言ってほしくない。思って欲しくないよ……!


「悪いけど冬休み中でもいいからこれ、小松崎さんに渡してもらえる?」

再度お願いしてきた柳瀬に、私を意を決し突き返した。

「悪いけどこれは預かれないよ」

「――え?」