九月下旬。少しだけ秋の気配を感じる今日、高校で二度目の体育祭が行われた。
私のクラスはあと一歩のところで準優勝に終わった。
それでもすごいと思う。
全クラスの中で二位になったのだから。
けれど私の視線の先には、準優勝に納得できずにいる人物がいる。
体育館倉庫裏。
誰もいない場所でカレは身体を小さく丸め、声を押し殺し泣いていた。
出会って三年。
初めて見るカレの泣き顔に、物陰に隠れたままどうすることもできず、手にしていたタオルをギュッと握りしめることしかできない。
「うっ……うぅっ……!」
数メートル離れている私の場所まで届くカレの泣き声。
心配になって探し回って見つけたというのに、なにもせずにこのままでいていいわけない。
好きな人が泣いているのだから。
出会ってから三年間、ずっとずっと好きだった人が――……。
意を決し、いまだに身体を小さく丸めたまま泣き続けるカレの元へと近づいていく。
一歩、また一歩と――。
私のクラスはあと一歩のところで準優勝に終わった。
それでもすごいと思う。
全クラスの中で二位になったのだから。
けれど私の視線の先には、準優勝に納得できずにいる人物がいる。
体育館倉庫裏。
誰もいない場所でカレは身体を小さく丸め、声を押し殺し泣いていた。
出会って三年。
初めて見るカレの泣き顔に、物陰に隠れたままどうすることもできず、手にしていたタオルをギュッと握りしめることしかできない。
「うっ……うぅっ……!」
数メートル離れている私の場所まで届くカレの泣き声。
心配になって探し回って見つけたというのに、なにもせずにこのままでいていいわけない。
好きな人が泣いているのだから。
出会ってから三年間、ずっとずっと好きだった人が――……。
意を決し、いまだに身体を小さく丸めたまま泣き続けるカレの元へと近づいていく。
一歩、また一歩と――。