「え…、これもらっていいんですか?」 「いいから、はやく受け取って帰りなさい。」 「ありがとうございます…。」 私がお礼を言うと先生は、素っ気なくそっぽを向き、再び作業をし始めた。 その時の先生の表情は、下を向いているせいでよく見えなかった。 「温かい…。」 春先の寒さの中飲むココアは甘くてとても温かかった。