『今の俺にはすごく
世界が輝いて見える』



そういうアキラに
ァタシは言い返した。




『アキラはいいなぁ。
アキラには音楽が
あるから…
ァタシには何もない…

ァタシにはアキラが
輝いて見える…

同じ地球に住んでるのに
こんなにも世界が
違って見えるんだね…』






『いい加減にしろよ!』




アキラが怒鳴った。



ァタシは驚いて
アキラの方を見た。





『いつまでも
甘ったれたこと
言ってんちゃうぞ?!

自分に何もないって
お前が何にも
興味を持とうと…
世界を知ろうと
してないんやろうが!

他人がみんな
幸せな星の下に
産まれたとか
思ってんちゃうぞ!

みんな幸せに
なるために
それぞれ
頑張ってんねん!

おまえはそんな
努力もせずに
他人が羨ましいとか
頑張ってる人に
失礼や!……』






アキラが言葉を
止めた。




……ァタシの目から
涙がこぼれていた。






『ごめ…
そんなつもりやなかってん…』





アキラがァタシの
頭を撫でる。




『違うねん…
嬉しくて…』





『え?』





『ァタシ
怒られたことなんて
なかったから…』