新たにできたこの場所でいきていくのだ、とぼんやりと弘輝は考えた。
向こうの仲間は元気にしているのだろうか、あいつらのことだ、きっとうまくやっているのだろう。
そう思い直すと、弘輝は仲間と共にくだらないことに談笑し、ふと、自販機に向かった。
ちょっとした買い物をしたくなったのだ。

と、奥向かいのコンビニに目をやると、
「ま…」
まひろ。
確かそんな名前だった。
地元を離れてからしばらく経ったが、遠目でもわかった。
幼い彼女をそのまま大きくしたような。
弘輝は、脳裏に彼女の姿を焼き付け、仲間の元へ戻った。