美彩は、颯太のことも、詩織のことも、弘輝のことも、うまくいかないことに苛立ちを感じていた。
ピリリリ、と携帯が着信する。
「…」
無言で通話を受ける。
「美彩。話がある」
そう話を切り出した颯太の言葉を遮るように、
「明日。弘輝の女に会いに行くから。」
それだけ言って、通話を切った。