その夜、コンビニのバイトを早めに切り上げてきた謙太郎と合流する形で、真尋はコンビニから出てきた。
謙太郎のバイクに乗り込む。
向かったのはいつもの空き倉庫。中は思ったよりも広く、既に何人か集まっているようだった。
しばらく、龍哉、謙太郎、真尋、奈那子の四人で話をし、皆が揃ったところで弘輝のいるグループの動きに注意し、何か事件を起こすようなことがあればグループの動きを封じることを龍哉が命じる。

そのときに、真尋の胸に痛みが走ったような気がした。
その胸の痛みに気がつかないふりをして、真尋、奈那子、謙太郎の情報を共有させる。
奈那子は大学生であり、龍哉の年上の彼女だ。以前は前リーダー龍哉の兄の右腕だったが、兄とは反りが合わない部分があったらしい。今は兄の提案で弟の補佐として動いている。兄と同級の奈那子は中学の頃から龍哉と付き合っており、ひとつ上の兄の下で龍哉は組織を奈那子と支えてきたのだ。