弘輝の特徴的な髪の色は、サバンナのトップに君臨するライオンのように輝いていた。
射殺すような眼光と、締まった身体つきは、前の学校でただ過ごしてきただけではないことを物語っている。
弘輝は、転校してきてからも己の生活を変えることがなかった。
家に真っ直ぐ帰り、夜遅くまで日課をこなし、学校で寝る。
その繰り返しだった。

「…いってきます」
そう呟くと、弘輝は闇夜に溶けていった。
弘輝を象徴する金髪だけがいつまでも輝いていた。