真尋を観察し続けた弘輝には、あることが気になり出した。
真尋には話す相手がいる。
教室で黙りし、真っ直ぐ家に帰ってるだけかと思っていたが、どうやらそれは違うらしい。
そっと後を着けてみると、
「3年の教室…?」
真尋は真っ直ぐ帰るふりをして、先輩とあっていたというのか。
しかも、男。
どこか見覚えのある精端な顔だ。
だが、思い出せない。
弘輝が悶々としている間にも、二人は群衆の中へ消えていった。