リリリリ、と着信音が再び流れる。
今度は電話だ。

呼吸を整えて出る。
『あっひろくん!出てくれたぁ~
しおのこと忘れてないよね??
何してたとこ?』

透き通るような声が耳に優しい。
こいつ俺に出会わなければもっといいやつと付き合えただろうな、と思いつつ
「お前からのメール見てた。今度の休み空いてる。夜からでもいいなら」

我ながら最低な返答だ。
『もぉ!ひろくんたらそーゆーことばっかり!でもいいよ!ネットで話題の公園のイルミ、夜のライトアップ綺麗なんだって、しお行ってみたい!』

「颯太とか美紗はどうしてる?」
『みさは相変わらずだよー!そーくんはちょっと寂しそう。案外ひろくんのこと気にしてるんだよ?』
知ってる。颯太とは頻繁に連絡を取っているからだ。弘輝が転校してから、仲間からも心配や激励のメールや電話が来ていた。
弘輝が抜けた穴はどうにか颯太や仲間が埋め合わせしたらしい。