優しかった弘輝。それはお菓子を一緒に食べてくれるだけでなく、真尋のことを気遣う気持ちが表れていたのだろう、と今は思う。
一度、弘輝とともに近所へ探検に出掛けたことがあった。
夕方までには家に帰ろう、という真尋の提案はあったが、知らない道に入り、曲がり角をどんどん曲がっていき見たことのない景色の場所に入っていく弘輝に不安を覚えた真尋がもう帰ろう、と言い出した頃には来た道がわからなくなっていた。