真尋は一連の事件のあと、弘輝のことを思い出していた。

弘輝が小学校上がる前に転校するまで、真尋と弘輝の家は近所で、よくお互いの家に遊びにいっていた。
幼い頃から弘輝は活発で、真尋の家に入り浸ってはイタズラをしでかし大目玉をくらっていた。

「ひろきくん、そんなことしたらまたままに怒られちゃうよ」
「だいじょーぶだって、まひろ!今度こそ怒られないようにうまくやるからさっ」

そういって真尋を巻き込んでは失敗していた弘輝は、いつも隣にいるような存在だった。
二人して真尋の母に怒られ、そのあとにもらったおやつを二人でわけて食べたのが一番おいしかったと記憶している。