真尋は、その間に髪を結び、眼鏡をはずした。
「…すみません、謙太郎先輩」
「真尋ちゃん、どうしてこんなことになってるの」
話しかけた真尋に、弘輝を締め上げながら淡々と謙太郎は尋ねる。
「場所を変えてゆっくり話します」

「ま、まひろ?お前、やっぱ」
「少しうるさいね。ちょっと腕外すよ」
ぐぁ、と呻き声をあげて弘輝が悶える。
立って、と片腕を外された状態で弘輝を立たせると、
「とりあえず、次うちの子に手を出そうとしたら容赦しないから」
そういい放つ。そのまま支えてた腕を乱暴に振りほどくと、反動でよろめく弘輝を尻目に公園入り口まで真尋をエスコートする。また修理がいるな、ちぃ、とぼやきながら素早くバイクを起こし真尋を乗せると、
「裏道から行くよ」
「はい。」