ブーッ、ブーッ、ブーッ。
携帯電話が三回振動する。
早めに待ち合わせ場所に到着していた謙太郎は、ディスプレイに表示された名前に顔をしかめた。
[旭 真尋]
話があるとは聞いていたが、どうも重大なことに巻き込まれているらしいな。
各々が所持しているGPSがオンになっているのを確認し、真尋の居場所を特定する。

「え、ここって…」
そう言えば実家から実家近くの高校に通う妹が、彼氏が転校すると言ってたが。
最近は変な縁があるな、そんなこと言ってる場合でもないけど。
とにかく急がなくては。
すぐに原付を走らせる。
S南校に向かうために。