休み時間。届いたメールをチェックする。
「真尋ちゃん。放課後話を聞きます。いつもの場所5時に。」
優しい先輩らしく、丁寧な物腰の返信が届いているのに気付く。
「よろしくお願いします。」
とだけ素早く打ち込むと、携帯電話が一瞬だけ着信する。
マナーモードだからバイブレーションのみだ。一回震わせることが、彼らの間で了解の合図なのだ。
次は体育の時間。貴重品は教室においていく決まりだ。
机の中に携帯電話を放ると、皆に遅れる形でやや足早に、女子更衣室へと向かった。