真尋は、家に帰ってからいつものように1日の振り返りをしていた。
眼鏡を外し、髪をまとめ直す。丁寧に櫛を通して、高い位置で結ぶ。
家に帰ったら普段の自分でいられるのが楽だった。
コンビニのことがあってから、弘輝からの視線を強く感じるようになった。
まさか同一人物と思われてるわけはないだろうが、あの一瞬でここまで疑われるのは想定外だった。
いや、想定外だったのは近所の溜まり場に弘輝が現れたことなのだ。
注意してこそいたが、こんなに早く事が進むなんて。
これは良くない兆候だ。
そう判断するや否や、静かに携帯電話を取り出した。