そうして週明けはちょいちょい風花ちゃんに恋愛観について突っ込まれたりもしたけれど、水曜日……週の中頃には、先週末の合コンのことなど忘れかけていた。
相変わらず仕事は忙しいし、そんなことにいちいちかまけている時間など無いのだ。
自分の担当の仕事だけならきちんと配分して定時までに終わらせることが出来るものの、風花ちゃんの分まで半分ほど請け負ったので実質1.5倍の仕事量だ。
せかせか仕事をしている私の横で、彼女はキラキラの笑顔で
「お先に失礼しまーすっ。お疲れ様でしたぁ」
と退社していく。
解せない。
解せないけど、言ったってどうしようもない。
仁科課長は気が弱いため若い子にあまり強く注意できないし、私が代わりにしてもいいけどあまり強く言って正面から敵に回すと、あとあと仕事をやりづらい。
とりあえず今週を乗り切れば大変な時期も過ぎるから、それからゆっくり風花ちゃんと相談しながら彼女の仕事量を調節していけばいい。
明日が送金期日になっている数十棟の入力と最終チェックを終えて、時計を見る。
もうすぐお昼だ。
「今日はキャラ弁作ってきたの〜」なんて会話している後輩たちを横目に、なんだかんだで女子力が低い自分を痛感した。
お弁当なんて、ここ数年作ってない。
自炊はするけど、ランチがストレス発散になっているのでお弁当を作る気力が湧かないのだ。
今日は皿うどんでも食べに行くか!
と、完全にオッサン化しつつある頭でランチというネーミングよりも「昼メシ」の方がしっくりくることを考えていたら。
内線電話が鳴った。