手首をつかまれたまま、
無言で10分くらい。

足早の彼と、小走りの私。

眉間にしわを寄せた彼と
ぜーぜーと息があがっている私。

駅の近くの、狭くて暗い、ガード下にたどり
着くと、リョウ君は、さっと傘をたたんで、
無言で私を壁際まで追い詰めた。

怖いよ、リョウ君。。
すこしずつ後ずさりするけど、
かかとが壁に当たる。
ーーー行き止まりだ。