新学年が始まって数か月。

同じクラスには駿。そして隣のクラスには真がいる学校は今、男子女子みんながざわざわとしていた。


そう、その理由は―…


「じゃあ!今年の文化祭の出し物を決めたいと思います!」


あと3週間後にやる、文化祭が近づいてきているからだった。


「わー今年は二年だもんね!火、使えるしなんか屋台やろうよ!」

「えー俺は去年出来なかったからお化け屋敷かな」

「えぇっ、やっぱり劇でしょう。去年の先輩たち凄かったじゃん」

辺りを見渡せば、去年を思い返してやりたいことをあーだこーだと出していくクラスメイト。それを必死に黒板へ書いてゆく実行委員。

実行委員を決めるとき、斜め前に座っている駿がちらっと私を見たけれどやっぱり実行委員になる勇気なんてなくて、ブンブンと顔を横に振った。

私が立候補しなかったおかげで去年他のクラスで実行委員だった子が立候補してくれたから、正直助かった。…まとめるのとか、上手そうだし。

楽しみにはしている文化祭だが、自分の意見をいうほど別にやりたいものはなく、ただ他の人たちが意見してくれるのをじっと、待っていた。