「…駿っ」

「ん」

着くとそこはもうすぐに乗ることができて。
私は駿に無理やり座らせられ、目の前には駿が座っていた。

「駿、観覧車乗りたかったの?」

「うん」

「高いの嫌いなのに?」

「うん。乗りたい気分だった」

「…そう」

嘘。
そんなのもう何年も付き合っているんだから、駿の嘘くらい見抜ける。

「…ありがと」

きっと駿は笑って、なにが。っていうと思うけど嘘をついてまで私を連れ出してくれた駿に感謝している私はぼそっとお礼を言う。

そしてやっぱり案の定、「なにが」と言って笑った。

「駿さぁ、昔から観覧車大嫌いだったよね」

「は?別に好きだし」

「嘘。てっぺんにつくとぜーったい泣いてたじゃん」