駅に戻って反対側の道を歩き始めること約15分。

着いた先は、昔よく遊んでいた遊園地で。


「俺、チケット買ってくるよ」

「あ、俺も行く」

「じゃあ私も―…「栞と心はここで待ってて」

栞さんの声を遮って入ったのは真で。
私と栞さんは頷き、大人しくその場で待つことにした。

待っている間、会話はなにもなくて。
別に私から話しかける必要もなかったから話しかけはしなかった。

だけどそこにいるのはとても胸が苦しくて。
早く、早く戻ってきて。と何度も心の中で唱えていた。


そして胸の中で唱え続けて数分。


「遅くなったー」

駆け足で私たちに駆け寄ってくる男子二人。

私たちの前に立つとその二人は笑顔で「はい」とチケットを渡してくれた。