私はまだ初めて痛む、その痛みを理解できてなくて気のせいだと決めつけ寝ている真の髪に手を伸ばした。
「さらっさらだぁ」
スーッと指を通すと、サラ―っと落ちてゆく髪の毛。
黒髪で、傷みなんてないさらっさらな髪。
私はその髪をいじりながら、いつの間にか気持ちよさそうに寝ている真の顔の近くに伏せて眠りについてしまっていた。
「…ろ、おーい、心起きろー」
「んん…」
「九時だぞーご飯食わねえのか」
「んー…もう少し…」
「起きろ」
「…えっうわあぁぁ!」
頬をぷにっと摘まれ目を開けるとそこにいたのは寝っ転がりながら肘をついて私を見つめている真の姿で。
あ…、そっか。
私いつの間にか真の寝顔見ながら眠っちゃったんだ…
約2時間前くらいのことを思い出し急激に顔が赤くなるのがわかる。