「だって真、小二でここから離れたからこの街のこともうわからないでしょ?だから案内しようと思って」

「でも彼女いんじゃん、真。彼女に―…」

「彼女さんも向こうの人だからきっとわからないんじゃないかなぁ?この街のこと」

あんなに頑固で、許さないと言っていた私は、真としっかり話せて仲直りできたのが嬉しくて舞い上がっていて、気づかなかったんだ。


駿のその険しい顔に。

その、理由に。


「あぁ、別にいいよ。じゃあ明日、迎えに来るな」

「うん!よろしくね」

「あーじゃあ、おやすみ」

「うん、おやすみー」

背中を向けて歩き出し出ていく駿のことを見送り私はベッドに身を投げた。


『一番大事なのは、心だよ』

もうあの頃のように小さくないんだから、彼女が一番大事だと言ってもおかしくないしそれが普通なのに、真は私のことを一番だと言ってくれた。

あの頃みたいに、私を一番だと。