「俺さ、中学の時サッカー部入ってて。ずっと心は何部かな~て考えてた」
「私、テニス部だった。ふふ、私も真のこと考えてた!」
「やっぱ俺たち離れてても繋がってるんだな」
「それが、双子、なんだよ、きっと」
どうして離れていったのか、とか聞きたいことはたくさんあったけどそれは真が話そうとはしてこなかったから、やめておいた。
だけどその分、他のことをたくさん話したい。そう思ったから。
「真―!栞ちゃん、帰ってきたわよー」
「あ、じゃあ…俺、栞のこと送ってくるわ」
「うん、気を付けてね。栞さんにもよろしく」
「おー。じゃあ、また。今度ゆっくり会えなかった時間分の心のこと教えてな」
「うん、わかった。おやすみ」
「おやすみ」
ドアのところまで送ると真はポンっと優しく頭に手を乗せて笑顔を向け階段を下りていく。
どんなに許したくないと思っていてもこれが双子…兄妹なんだと実感して少し笑ってしまう。
単純だな、私。そう思っていたときバンっと扉が開いた。